オリゴ糖の役割とは
便秘解消のためには、食物繊維の摂取も大切だけれども、
それだけではなく「善玉菌を増やす、元気にする」という面で、
もっと大きなサポートが必要となります。
その善玉菌の代表格となるのがビフィズス菌ですが、ビフィズス菌のことを調べると、
必ずと言っていいほど「オリゴ糖と一緒に摂るといい」というような言葉が出てきます。
オリゴ糖とは、その名の通り、糖分なのですが、他にもいろんな種類の糖分がある中で、
あえて「オリゴ糖がいい」と指定されているのはなぜなのか、そしてオリゴ糖は実際に、
便秘解消のためにどんな役割を果たしているのか、ここではそれについてご説明しましょう。
糖分の中で、オリゴ糖だけが注目されている理由とは?
種類が数多くある糖分の中で、なぜオリゴ糖だけが便秘解消の面で注目されているのかというと、
オリゴ糖は他の糖分と違って、「腸まで届いて、ビフィズス菌のエサになることができるから」なのです。
実は糖分というのは、同じような構造をしているわけではありません。
オリゴ糖というのは、他の糖分と比べると、ちょっと構造が複雑なんですよね。
どういうことかというと、簡単に言えばオリゴ糖は、
「複数の糖分が結びついてできている」というものなんですよ。
果糖やブドウ糖・ガラクトースなどをはじめとした、
3種類以上の糖分が結びついてできたものを、オリゴ糖と言うのです。
正確には、オリゴ糖とは
「2種類以上・おおむね20種類以下」の糖分が結びついたものを指します。
しかしこの考え方をそのまま当てはめると、砂糖の主成分である「ショ糖」や、
牛乳に含まれる「乳糖」なども2種類の糖分が結合してできたもので、
学術的にはオリゴ糖のひとつに含まれてしまいます。
こうしたものと一般的なオリゴ糖を区別するために、
3種類以上の糖分が結合しているものをオリゴ糖と呼ぶことが多いため、
このサイトでもオリゴ糖は「3種類以上の糖分が結合したもの」と定義しています。

複数の糖分が結びついてできたオリゴ糖は、
単体構造の他の糖分と違って、消化されにくいという性質があります。
消化がされにくいからこそ、腸までしっかり届く。
そして腸に届いたオリゴ糖はビフィズス菌の大好物ですが、
悪玉菌はオリゴ糖を好まないため、あまり食べません。
つまりオリゴ糖は「効率よくビフィズス菌専用のエサになる」
というわけです。エサをたくさんもらうことができれば、
ビフィズス菌そのものが元気になるだけでなく腸内でその数を増やすこともできるんですよ。
つまり、ビフィズス菌を元気にするエサとして、もっとも効率がいいものだからこそ、
オリゴ糖が注目されているというわけです。
オリゴ糖は、理想的な腸内環境作りの名アシスト役
ビフィズス菌のエサになって、
ビフィズス菌を元気にするオリゴ糖の役割は、
まさに「アシスト役」ですね。
イメージとしては「サッカーでストライカーに点を取らせるため、
絶妙なところにパスを出す」
「アタッカーがスパイクを決めやすいように上手いトスを出す」
「社長の右腕として、陰で支える働きをする」などという感じです。
オリゴ糖がなければどうなるのかというと、
ビフィズス菌は腸内で孤立無援。
ビフィズス菌そのものに元気がなくなってしまうので、
それこそよほどの数を摂取して頑張らせない限り、悪玉菌に勝つことはできません。
それに、仮に一時的にビフィズス菌をたくさん摂取したとしても、
ビフィズス菌は腸内での寿命が短いので、オリゴ糖というエサをもらって増殖できなければ、
またすぐに不足状態になってしまうのです。
もちろん逆に、オリゴ糖だけを摂取しても、ビフィズス菌がほとんど居ないような腸内環境であれば
「エサだけが無駄に余る」ということにもなってしまいます。
ですから腸内環境を良くするためには、
ビフィズス菌とオリゴ糖、両方を適切に摂取することが大切というわけですね。
オリゴ糖のビフィズス菌アシスト効果は医学研究で証明されている!
「オリゴ糖がビフィズス菌のエサになる」というのには、
実はしっかりとした医学的な根拠があります。
というのも、元々オリゴ糖の発見は、
「昔の赤ちゃんの健康状態を調べると、母乳で育った赤ちゃんのほうが、
人工ミルクで育った赤ちゃんよりも下痢などの腸トラブルを起こしにくかった」というところから始まりました。
赤ちゃんの便の状態を比較するなどして腸内細菌を研究したところ、
母乳の中にビフィズス菌増殖因子(オリゴ糖)が存在している、ということが分かったんですよね。
だからこそ今は粉ミルクにも、オリゴ糖が配合されています。
ちなみに赤ちゃんの便があまり臭くないのは、まさに「ビフィズス菌とオリゴ糖のおかげで、
腸内環境が良好だから」という見本なんですよ。こうして見れば、
ビフィズス菌とオリゴ糖のコンビがどれだけ腸にとって大切な存在かが分かりますよね。